害虫とは
様々な形でヒトに被害を与えるものに対する呼称である。ヒトの生活のあらゆる面で、それを害する虫がいるので、その在り方は様々である。出典:Wikipedia★
害虫と聞いてほとんどの人が思い浮かべるであろうゴキブリやノミなどは、これまで梅雨明けから秋が活動時期とされていました。
しかし近年、こういった類の害虫が1年中見られるようになっている事をご存じでしょうか。
大きな理由の1つに、日本の住宅機能の向上が挙げられます。建物の気密性と断熱性が高くなり、また性能の良い空調で湿度や温度が一定に温度調節された室内は、昔とは比べ物にならないほど快適になりました。
季節を問わず様々な害虫が発生するようになっているので、正しい駆除法と予防法を知ることが大切なのです。
害虫対策のポイント

駆除と予防の両方を行う
目に見える害虫を駆除することはもちろん、もし巣があればその場所を見定め、完全退治をしてください。ここを怠ってしまうと、卵や幼虫が成長して新たな被害に繋がってしまいます。
また、部屋の清掃を心がけたり、外部から侵入する害虫に備えて対策するなど、日常的に予防に努めることが重要になるでしょう。
何種類かの駆除方法を組み合わせる
いくつもの駆除方法を組み合わせて実践すると、より効果が高まって駆除効率がアップします。
同じ方法ばかりだと、害虫が慣れて駆除効果が弱まることがあるのです。イメージで言うと、抗生物質の効かない耐性菌のようなものでしょうか。
実践した駆除方法の効果をその都度確認しながら、必要があれば殺虫剤を変えたり、トラップの場所を変えたりして工夫を重ねてみてください。
どうしてもダメなら業者に任せる
多くの害虫は個人的な対処で十分に駆除することが可能ですが、中にはスズメバチやシロアリなど、人や建物に大きな被害を生じさせる害虫もいます。
また、害虫の大量発生により一般的な殺虫剤では手に負えないケースもあるでしょう。
そのような場合は、無理に個人で対応せず専門業者に駆除をお願いするのが安心です。

ゴキブリ

生態
日本国内において発見されているゴキブリは、なんと約50種。
メスは適温の環境下においては生涯にわたって卵を産み続けます。その卵は20~40数日という短いスパンででふ化しますが、卵に限らず幼虫や成虫に関しても、一定温度を下回ったら生きていることはできません。
これまでは、5~10月がゴキブリの活動時期だとされてきました。しかし近年の住宅事情の向上によって、室内は常に快適な温度が保たれるようになり、ゴキブリは1年を通じて見られる害虫となりました。
生息場所 | 食べ物と水がある所。暗い所。暖かくて湿度のある所。 |
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侵入経路 | ベランダ・換気扇・玄関・排水溝などの隙間 |
習性 | 夜行性なので、昼間は狭くて暗い場所に隠れている |
予防法
ゴキブリは、ありとあらゆる経路から屋内に侵入してきます。郵便受けや換気扇、またドアや窓を開け放している隙間は要注意です。また湿度の高い水回りを好みますので、排水溝から上がってくる可能性もあるでしょう。
ですので、効果的な対策は全ての隙間を埋めてしまうことです。網戸やサッシの隙間は、ホームセンターで専用のテープが売っています。また台所やお風呂場の排水溝には、必ずご見受けで蓋をしてください。
換気扇や通気口であれば、目の細かなフィルターが効果的です。もしヒビや隙間がある場合は、パテで埋めてしまえば安心ですよ。
駆除方法
スーパーやドラッグストアでは、様々なゴキブリ駆除剤が売られていますね。大きく分けて3種類ありますので、その特徴をまとめます。
燻煙剤・噴霧剤 | 駆除効果のある薬剤を、霧や煙にして室内に行き渡らせる。部屋全体をカバーできるので、狭い隙間の対策も可能になる。 |
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毒餌 | ゴキブリの好む餌に毒を混ぜたもの。遅効性ですぐには死なないため、巣ごと根絶することが期待できる(ゴキブリは仲間の死骸やフンを食べる習性があるため) |
捕獲器 | 粘着シートによってゴキブリを捕獲する。直接手で触ることなく処理できるが、一度にたくさんのゴキブリに対処するのは難しい |
ムカデ

生態
春から秋にかけての温かい時期にムカデが活発になります。
産卵期は5月から6月で、暑い盛りの真夏には活動しなくなりますが、再び9月から10月ごろにかけて動き始めます。
ムカデは一度に産卵する数が多い(約5から80匹)ので、1匹見つけたら必ず他にもいるものだと理解してください。
更なる繁殖に歯止めをかけるためにも、見つけたら早急に駆除することが大切です。
生息場所 | 湿気があり暗い場所を好む。屋内だと水回りや天井裏、床下など。屋外だと鉢植えの裏や落ち葉の陰でよく見かける。 |
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侵入経路 | 家のあらゆる隙間。どんなに高いところにも上り、また体が小さいため少しの隙間からでも室内に入ってくる。 |
危険性 | 危険を感じると人に噛みつくので、素手では決して触らない事。毒を持っているので、噛まれると強い痛みを感じたり、何度も噛まれることでアナフィラキシーショックを起こす恐れがある。 |
予防法
ムカデは少しの隙間でも簡単に室内に侵入してきますので、窓や通気口など、あらゆる隙間をテープやパテで埋めると効果が望めるでしょう。
また、ムカデ専用の忌避剤を家の周りにまくことで、ムカデが家に近づくことを防げます。薬剤にはスプレーや顆粒など様々なタイプがありますよ。
駆除法
市販のムカデ用の殺虫スプレーが効果的です。また50度以上の熱湯で死んでしまうので、お湯を貼ったバケツに浸けてしまうのも良いでしょう。
ただし、ムカデは産卵数の多さから、気付いた時には大量発生している場合がありますので、手に負えないと思った時には専門業者に頼るのも一案です。
ノミ

生態
人も吸血する害虫で、イヌやネコに寄生することが殆どです。
また、被害の原因の大半は「ネコノミ」になりますが、ネコのみならず人やイヌも吸血してしまいます。
たった2日で卵がかえると、幼虫は約6日、さなぎは6~15日で成虫になってしまうのです。ネコノミは、動物の体に卵を産みますが、高温に弱い卵は動物の体温で死滅してしまい、生き延びることができません。
ふ化するのは、動物の身体から畳や床下のゴミの間などに落下した卵なのです。寒さの厳しい真冬以外は年中発生し、特にノミが活発化して被害が増えるのは7~9月となります。
ノミに刺されると激しいかゆみを引き起こしたり、赤く腫れたり水ぶくれや色素沈着などができてしまうなど、体に害を及ぼしてしまうのです。
特性を知り、しっかりと予防・駆除したいですね。
予防法
しっかりと掃除をして、まずは卵や幼虫を吸い取ってしまいましょう。またペットを飼っている場合にはノミ取り用の首輪やシャンプーを使うなどすると良いですね。散歩でノミを拾う事もありますので、注意が必要です。
駆除法
一番手軽なのは市販のノミ用スプレーです。ヒノキチオールやシトロネラといった天然成分を使い、化学薬品が含まれない物もありますので、好みによって選んでくださいね。
また畳やじゅうたんに潜り込んでしまったノミに対しては、ノズル付きのスプレーが効果的です。
他にも薬剤を煙として散布する燻煙剤もあり、目的や用途によって使い分けるのが良いですね。
ノミを見つけても、絶対につぶさないようにしてくださいね。もしメスだった場合に、もっている卵を飛び散らせてしまう危険性がありますよ。
トコジラミ
生態
別名ナンキンムシとも呼ばれるトコジラミは、日中は寝具やや家具の隙間などに隠れています。夜になると這い出てきて、人を好んで吸血します。
刺されてしまうの主に夜間となり、身に付けている衣類から肌が露出している手足や首まわりが刺されやすいと言えるでしょう。刺されると強烈なかゆみがあり、場合によっては発熱するケースもありますので注意が必要です。
トコジラミを見つける手掛かりは、壁や柱に残される赤黒い色の汚い点です。これは吸血したうちの大半が糞(フン)として排出されるためなのです。
トコジラミ自体は明るい場所には出てきませんので、このような血の糞(フン)を発見したら、すぐに対策をスつ必要があるでしょう。
生息場所 | 暗くて暖かい場所。吸血しやすい寝具の近く。ベッド周りや布団を敷く畳など。 |
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侵入経路 | 海外からの渡航者や荷物に付いてくる。トコジラミのいる各種施設を利用した際に持って帰ってしまうこともある。 |
被害 | 噛まれると強いかゆみが生じる。場合によっては発熱したりアレルギー症状が現れる場合がある。 |
項目名 | ここに説明文を入力してください。 |
項目名 | ここに説明文を入力してください。 |
予防法
結論から言うと、トコジラミに対しての有効な予防法はないと言えるでしょう。
なぜなら、トコジラミはヒトや物について移動し、辿り着いた先であっという間に繁殖してしまうからです。
他の害虫のように「不衛生にしていたから広まる」という訳ではないので、効果がある予防法がないに等しいのです。
また、夜行性のトコジラミは日中は狭く暗い場所に潜んでいるため、専門的な知識がなければ、トコジラミがいることを見極めるのは大変難しいでしょう。
刺されてから症状(かゆみや赤みなど)が出るまでに時間差が生じるため、それもトコジラミの発見を困難にしている一因だと言えます。
駆除法
加熱する
トコジラミは熱に弱いので、50度以上の高温が効果的でしょう。衣類などであれば、熱いお湯で選択すると良いでしょう。
吸引する
トコジラミが発生している箇所を見つけたら、パワーの強い掃除機で吸い取る方法が効果的です。ただ、掃除機の吸引力によっては、吸い込んだ後でもトコジラミが生き続ける場合があるので注意が必要でしょう。
殺虫剤
市販でトコジラミ用の殺虫剤が売られています。ただし、噛まれた時の症状や生息場所がダニとよく似ているため、その見極めが難しいかもしれません。
またトコジラミは殺虫剤に対して耐性を持つものもいるため、使用する薬剤に対して専門的な知識が必要になる場合もあるでしょう。
他の害虫と違い、トコジラミは対策が難しいため、被害が大きくなる前に専門業者に任せるのが一番安心かもしれませんね。
