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席順(席次)のマナーとは?和室/洋室/社内における上座と下座まとめ

席順と言えば、一般的に上座と下座がありますよね。その決まりは、おもてなしの心から生まれたもので、自分自身が着席する位置を通じて、相手に対する尊敬の念や、おもてなしの心持ちを表す手段だと言えるでしょう。

どの席が上座でどの席が下座であるかをきちんと理解することができていれば、常識的な考え方のある人として、きっとあなた自身の好感度も上がるはずですよ。

今回は、そんな基本的な席順の決まりについてお知らせしていきます。

席順(席次)とは

席順の由来

席順の始まりにはいくつかの由来がありますが、今回は主だった2つをご紹介します。

1つ目は、室町時代から一般の家庭でも実用化された、「床の間」が始まりであるという見解です。床の間は家の中で最も快適な部屋に設けられ、お客様をもてなすための場として使われました。そういったことから、一番良い場所である床の間に背を向けて座る人が最も身分の高い人だとされたのです。そして次第に、その席が「上座」なのだという考えが広まっていきました。

2つ目は、入り口から最も離れている席を上座にするという説です。戦国時代においては、そうすることで、敵が攻め入ってきた場合においても、身分の高い人を守ることが可能であったからです。

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現在では、先にご紹介した由来からは意味が変わり、「最高の、快適で、安全な場所」を「上座」とする考え方になっていますよ。

時代が移り変わり、人々の生活や考え方が違っても、相手を敬意を表する思いは受け継がれているのだと言えるでしょう。

相手への敬意を表する手段として、こうした「上座」の習慣が残っているのですね。

ビジネスシーンにおける席順の判断基準

基本的には、地位が上にある人を「目上の人」と言います。ただ、同等の役職の人が複数いるのであれば、最も年齢が上の人が上座に着席することになるのです。

また、社外の人がいたとしたら、当然のこととして社内の上司よりも上座となります。 役職は、席次を身に付ける上での大原則となりますので、自社内だけに限らず、来客の役職順も把握できるように心がけると良いでしょう。

来客の予定がある場合は、前もって先方の役職を確認しておくようにしてください。

上座と下座について

上座(かみざ)と下座(しもざ)とは、どのような考え方で決まるのかご存じでしょうか?多くの場面において、目上の人やお客様に座る最も安全で快適な、一番良い席が「上座」となり、上座に座る人をもてなす側が座る席が「下座」となります。下座は、「末席(まっせき)」と呼ばれることもあります。

さらに、上座から下座までの席にも、きちんと順番が決まっていますので、覚えておくと良いでしょう。このように、敬意やもてなしの心を、席順によって表すことは、日本独自の素晴らしい文化ですね。

基本的には、目上の方に上座に座って頂きます。しかし、目上の方が複数いた場合には、一人一人に席を指定するということが難しい場合もありますね。その時には、一番目上の方に上座をご案内すればそれで大丈夫です。後は他の方が自然と次の席次へと着席する、といった流れになるでしょう。

歩行時やエレベーター内など、席に着席しない場合の立ち位置にも、序列が定められていますので注意が必要となります。

目上の人と行動を共にする場合は、常に敬意をもって接し、どのような状況にも席次が存在すると思っておきましょう。

シチュエーション別の席順

洋室や応接室

入口から一番遠い席が「上座」、逆にに一番近い席が「下座」になります。

では、二人掛けあるいは三人掛けのソファーと一人掛けのソファーが設置されている場合の席順はどうなるでしょうか?

お客様に一番良い席という考え方から、ゆったりと座ることができる複数人掛けのソファーの方が上座となります。

お茶を出す場合は、上座から席の序列の順にだしますので、うっかり間違えてしまわないよう、細心の注意を払ってください。

また、あなたが訪問先で応接室に案内され、相手を待つ際には、下座に座るか下座側に立って待機します。相手に上座を勧められてから、上座に移動するのがマナー。自分がお客様だからと、自ら上座に座ることは避けましょう。

和室

一般的には、床の間の前が「上座」となります。そして床脇(床の間の横にしつらえるもので、戸棚などがあることが多い)がその次席とされ、最後に一番入り口に近い席が「下座」となっています。

床の間とは、掛け軸や花が飾られている、部屋の中で一段高い場所を指しますよ。

ただし、床の間がない場合には、洋室と同じく入り口から一番離れた席を「上座」とします。また、庭や風景が見える部屋であるならば、外を眺められる席を「上座」にするなど、その都度シチュエーションによって、臨機応変な対応が求められるでしょう。

車内

タクシーの場合

運転手の後ろが上座となります。ただし、この席は一番乗り降りしづらい場所となりますので、座られる方の意向を確認しながらご案内すると、より丁寧でしょう。

また、後部座席に3名が座る場合には、真ん中が下座となります。

同行者が運転する場合

運転手も含め4人~5人で乗車する場合は、助手席が上座となります。ただし、人数が少なく、後部座席に1人で快適に座れる場合には、そちらが上座であるという考え方もありますので、乗車の際に確認しながらご案内するように配慮しましょう。

エレベーター

原則としては、操作パネルがある方の奥が上座となり、その次に操作パネルがない方の奥、最後に操作パネルの前が下座となります。

目上の人とエレベーターに乗る際には、自分が操作盤の前に立ち、安全に乗り降りできるようにドアを抑えたり、「開く」のボタンを押すなどの配慮を忘れずに行いましょう。

また、目上の人よりも先にエレベーターを降りる場合には、「失礼します」と一礼するようにすると感じが良いですね。