「日本茶」といっても製法によってその種類は様々。入れ方や味にも違いがあるんです。
どんな時にどんなお茶を選べば良いのか?それぞれのお茶にある効用や目からウロコのお茶殻の活用方法など、知っているようで知らないお茶の色々、まとめます!
日本茶の嬉しい効用4つ

抗がん作用
今もっとも期待されている効用の一つ。胃がんになる危険度比較によると、一日に日本茶を飲む量が3杯以下の人を1とした場合、10杯以上飲む人は0.8にまで数値が低くなることが分かっています。
また日本茶に多く含まれるカテキンが細胞の突然変異によるガン化を防いだり、がんの転移を抑制するという(マウスを使った)実験結果も報告されています。
さらに「がん予防のビタミンACE(エース)」と呼ばれるβカロテン(体内でビタミンAに変わる)、ビタミンC、ビタミンEが豊富。それらがカテキンと結びつく事により、それらの効果が更にアップするのではと言われています。
抗菌作用
カテキンには強い殺菌作用があります。
通常の濃さの十分の一程度の薄い日本茶であっても、食中毒の原因となるぶどう菌やボツリヌス菌が死滅することが分かっています。
生ものを食べるときや梅雨時期などは、意識して日本茶を飲むと良いですね。
さらにカテキンは風邪のウイルスに直接作用し、その働きを弱める効果も認められています。うがいをするなら水よりも日本茶がベター。
虫歯と口臭予防
日本茶には、フッ素が多く含まれています。虫歯菌が作る酸が歯のエナメルを溶かす事で虫歯になりますが、フッ素にはその酸が歯に侵入するのを防ぐ働きが。
またカテキンの強い消臭作用は口臭予防にも効果的。この効果を利用した消臭ガムも良く見かけますね。
美肌とダイエットに
日本茶に豊富に含まれるビタミンCは新陳代謝を活発にし、シミの原因であるメラニンの発生を防ぎます。
果物や野菜のビタミンCが熱に弱いのに対して、日本茶のそれは熱に強いのが特徴。
豊富なカフェインは利尿作用が高いので、からだの毒素と老廃物の排出をしやすくします。
またカテキンには脂肪の分解を促進させる働きがありますから、美容・ダイエット効果が十分に期待できます。
日本茶の種類

日本で生産されるお茶のほとんどは「緑茶」ですが、その栽培方法や摘採時期、製造工程によりお茶の風味は様々に変わってきます。日本茶の種類について改めて確認してみましょう。
煎茶
摘んだ茶葉を蒸して発酵を止め、揉んで仕上げます。甘みと渋みのバランスがとても良く、爽やかな香りが特徴。日本茶消費の8割を占めるポピュラーなお茶です。とりわけ5月初旬の八十八夜の頃に新芽を摘み作られる新茶は清々しい味です。
番茶
煎茶用の茶葉を積んだおとに刈り落とす葉で作るお茶。また「遅い時期にできる」という意味で「晩茶」とも言われますが、今では三番茶・四番茶を指すことが多いようです。普段使いにちょうど良いお手頃価格であり、またフッ素が含まれ虫歯予防にもなるので食後に飲むお茶として最適です。
ほうじ茶
煎茶用の茶葉から取り除かれる茎や、下級品の煎茶や番茶を高温で炒って作るお茶。炒る過程でカフェインが破壊され渋みが殆どなくなるので胃に優しく、妊婦さんや子ども、体調のすぐれない方でも安心して飲めます。香ばしい香りが特徴で、脂っこい料理やお酒の後にも良く合います。
玄米茶
蒸した玄米を炒り、煎茶や番茶とブレンドしたお茶。玄米と名は付いていますが、玄米ではなく白米やもち米が使われることが多い。香ばしい香りには素晴らしいリラックス効果があります。近年では若者に好まれることも増え、玉露などを合わせた上級品も作られています。
玉露
上質な茶葉のみで作られる最上級の緑茶。芯芽が2~3枚開いたところでワラなどを被せ(約20日程度)、直射日光を遮る事で緑色の濃いやわらかな葉となり、それが玉露特有の風味となります。生産量が少ないため、珍重されます。
抹茶
玉露同様、直射日光を遮ったはを蒸して乾燥させ、臼でひいたものが抹茶。茶葉をまるごと飲める抹茶は、お茶の成分をまるごと摂取できるのが魅力で、近年では美容に良いお茶として注目を集めています。
茎茶
煎茶や玉露を作る過程で使われなかった茎の部分を集めたお茶。その形から「棒茶」とも呼ばれます。特に玉露の茎だけで作られる「かりがね」や「しらおれ」は高級品で、苦みや渋みが少なめで、青々しく爽やかなさっぱりとした風味が特徴。
芽茶
煎茶や玉露を作る過程で使われなかった芽の部分を集めたお茶。うまみが詰まった濃厚な味です。苦みと渋みが強いので、頭をスッキリさせたい時にはぴったり。関西では玉露から作る芽茶を「尽(じん)」と呼び、珍重される。


お茶柄の活用方法
掃除や手入れに
- 掃き掃除・・・茶柄をまくと、埃を吸着するので埃が舞わず綺麗に掃除ができます。また殺菌効果もあるので雑菌の繁殖予防にもなりますよ。
- 拭き掃除・・・茶殻を包んだ布で床を拭くとツヤがでます。また殺菌効果と消臭効果の両方を活かせてます。
- さび防止・・・茶殻で鉄鍋を拭くと、抗酸化作用が働いてさびを防止できます。
消臭効果
- 冷蔵庫に・・・ネットに茶殻を入れて冷蔵庫に入れると優れた消臭効果が期待できます。
- 下駄箱に・・・ネットに茶殻を入れて靴や下駄箱に入れておけば、ほこりや臭いを取ってくれ、同時に殺菌効果も得られます。
- 魚料理に・・・グリル使用後に網に茶殻を振りかけることで魚の生臭さを和らげてくれます。焼いている段階で魚に直接まぶしても。
様々な効用があり、お茶を入れた後のお茶殻までも有効に活用できるなんて、嬉しいですよね。