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今さら聞けない?日本茶の基礎知識と美味しい入れ方・手順

毎日の生活に欠かせない、私たちにとって身近な存在の日本茶。お客様のもてなしで入れる機会も多いですよね。

ただ、改めて聞かれると「実はお茶の美味しい入れ方やコツなど知らないかも・・・」といった方が多いのではないでしょうか。今回は、今さら人には聞きにくい、日本茶の基礎知識と入れ方についてまとめます!

日本茶を入れるのに適した水とは?

一般的に、日本茶には「軟水」が合うとされています。日本の水道は軟水ですので、普通に汲んだものを使えばOK。ただ、水道水にはカルキ臭が残っていますので、お湯を沸騰させたあとに蓋を取り、2~3分煮立たせてカルキをとばしましょう。

また数分間、水を沸騰させ続けると水のクラスター(分子の集合体)が細かくなるため、茶葉に水の分子がより浸透し、成分が出やすくなるとも言われています。

軟水で入れたお茶は「コクのあるまろやかな味わいで水色が濃く」なり、硬水で入れたお茶は「さっぱりとした味で水色が薄く」なる傾向があります。

日本茶の入れ方

お湯を沸かす

まずはカルキを飛ばすため、2~3分かけて軟水を沸騰させます。ほうじ茶や番茶など、熱湯で一気に入れるものはそのまま、また、もう少し低い温度で入れた方がおいしいお茶の場合は、一度沸騰させたお湯を温度調節しながら使います。

茶碗をあたためる

入れたお茶が冷めないように、茶碗にお湯を注いであたためておきましょう。熱湯よりも低い温度で入れる種類のお茶の場合には、茶碗をあたためたお湯を再度急須に戻すことで、温度の調節ができて一石二鳥です。

具体的には、熱湯を容器に一回移し替えるたびに、およそ10度ずつ温度が下がります。例えば、沸騰したお湯が100度なら、急須に注いで90度、急須から茶碗に移して80度、そこから急須にお湯を戻せば70度といった具合となります。(個々のお茶を入れる適温は下記表にまとめていますのでご覧ください)

茶葉の量・湯の温度・抽出時間に気を配る

うまみを引き出したい上級茶や玉露は低温で長めに。香ばしさを引き立たせたい番茶やほうじ茶は熱湯でさっと。日本茶は、その茶葉の種類によって適した入れ方があるのです。下の表を参考にしてみて下さいね。

【茶葉の量/湯の量と温度/抽出時間の目安】
茶葉の種類茶碗の数茶葉の量湯の量湯の温度1杯あたりの抽出時間
玉露3杯10g60ml50℃約2分30秒
煎茶(上級)3杯6g170ml70℃約1~2分
煎茶(並)3杯10g430ml80~90℃約1分
深蒸し煎茶3杯6g170ml70~90℃約30秒
茎茶/芽茶3杯6g390ml90℃約40秒
ほうじ茶/番茶5杯15g650ml熱湯約30秒

最後の一滴まで丁寧に

複数の茶碗に注ぐ場合は、濃淡の差がでないように、均等に回し注いでくださいね。また、急須に余分なお湯が残っていると、苦みや雑味が出ますので、最後の一滴まで丁寧に注ぎきるように気をつけましょう。

↑3分で分かる!日本茶の美味しい入れ方
↑お茶の濃さに差が出ないよう回し注いで。

日本茶の出し方のマナー

せっかく入れた美味しいお茶。お客様へふるまう時には失礼のないように、もてなしの気持ちが伝わるような美しい所作でお出ししたいものですね。以下にポイントをまとめます。

・蓋つきの茶碗にお茶請けを添える
・お茶とお菓子はお盆に乗せて運ぶ
・茶碗と茶托は別々にお盆に乗せる
・お客様の右側からお出しする
・お客様の左手にお菓子を出す
・お客様の左手にお茶を出す
・お菓子の種類により懐紙や楊枝を添える

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日本茶の保存方法

日本茶の保存の大敵は「湿気・におい・高温・光・酸素」です。特に湿気とにおいを吸収しやすいので、においの強い食品や洗剤の近くに保存するのは避けた方が良いでしょう。

また高温・光・酸素は、お茶の成分を変質させてしまいます。なるべく日の光が当たらない場所で、密閉容器に入れて保存するようにしましょう。

中がアルミやステンレス、銅などで出来ており、しっかりと密閉される中蓋付の容器が保存には適しています。ガラスの保存容器は、光が入ってしまうので控えましょう。

長期保存をする場合は、茶缶や茶筒などの保存容器ごと、ビニール袋に入れて冷蔵庫へしまってください。使う場合にはすぐに容器をあけず、室温になじむまで少し置いてから開封しましょう。これは、急激な温度変化により、水滴がついてしまうのを防ぐのが理由となります。

お茶でお客様をもてなす機会は多いですので、ぜひこの記事がお役に立てれば嬉しいです。